社内政治ってクソだなって思った話
とある会社での話
その会社では、社歴の長い既存勢力=部長派と、外部から入社した新興勢力=外様派が対立をしていました。
基本的に、人事権は部長派が持っており、外様派はキャリアアップが難しく、自分よりも成績の悪い部長派の出世を指を咥えて見ているしかない・・・という状況でした。
スーパーエースの誕生
そんな中、外様派にスーパーエースが誕生します。
A君としますが、彼はホントにすごかった。
営業成績は圧倒的首位。
2位と倍以上の差をつけた圧巻の数字。
ちなみに、今でも彼の営業成績は抜かれていないとか。
そこまでの数字を出されると部長派も文句は言えない。
むしろ、どれだけ売ってもキャリアアップはできないのか、と自分たちの支持力低下にもつながる。
ということで、周囲からの期待もあり、彼はめでたく課長職とあいなりました。
暗転
ところが、彼のチームは上手くはいきませんでした。
チーム内にいた、お局のOさんが彼の出す全ての施策に対していちゃもんをつけるのです。
なぜそんなことを指示されないといけないのか、そんな意味のないことをなぜしなければいけないのか、と。
このようなことが続くとチームの雰囲気は悪くなる一方です。
他のメンバーへの悪影響もあり、チームは機能せず、売上はドンドン下がっていきました。
結果、A君は降格、一営業マンに戻ることになりました。
暗躍
なぜOさんはそのようなことをしたのか?
そう、彼女は、部長派が送り込んだトロイの木馬だったのです。
チームを引っかき回し、外様派の第一勢力を潰す。
もちろん、後釜には部長派の人間がつけられました。
また、Oさんは部長に、Aさんはワンマンで好き勝手やって困る、非効率な施策ばかり立てるから売上が下がる、と直接クレームを入れていたのです。
これにより、部長派は大義名分を得ました。
売上だけの人間は人柄に難があり、マネジメントには向かない、と。
この旗印の下、部長は自分たちの地盤をより強固なものにします。
外様派は売上至上主義でマネジメントには向かない。
人格を含めて検討をした結果、仕方なく部長派から選ぶことになっていると。
A君の受難
さて、降格という憂き目にあったA君、しかしながら地獄はこれから始まるとは、微塵も思っていませんでした。
もう一度、周囲を認めさせ、役職に復帰してやると奮起し、再びメチャクチャ売上をたてるA君。
そして、A君が売れば売るほど、チームの数字は上がっていきました。
すると、部長は言います、「A君から新課長に引き継いだら、課の売上が激増している。いやはや、やはり、A君にはマネジメントの能力がなかったようだ」
これにはA君もう驚きます。
そう、A君が売れば売るほど、自分のマネージャー時代の評価が下がっていくのです。
じゃあ、自分が売らなければ、チームの数字が悪くなれば、新課長の評価が下がるのか?
とんでもない。
課の数字が悪いのは、降格になったA君がふてくされて、真面目に仕事をしないからだ、と、スケープゴートにされてしまったのです。
売上をたてても評価ダウン、売上をたてなくても評価ダウンと、A君はニッチもサッチもいかなくなりました。
結局、彼はこの組織の中で、目立たず平凡なプレイヤーでいるということしかしできなくなりました。
派閥争いは組織自体を弱体化させる
自分の地位を安定させるために、会社業績アップを阻害し、有能な人材のキャリアアップを奪う。
今、自分の利益を享受するためだけに・・
信賞必罰ともいいますが、評価制度が崩れた会社は全体のモチベーションが下がり、長期的な成長も見込めません。
似たようなこと、思い当たることがあったら、一度エージェントに相談してみるのがおすすめです。